社内の不正行為を告発したら仕事を取り上げられ、うつ状態になったなどと
して、労災認定を求めていた三菱重工業社員の西村茂さん(56))(神戸市垂
水区)について、国の労働保険審査会は労災と認める決定をしました。
7月14日付の裁決書などによると、西村さんは同社神戸造船所に勤めていた
2004年7月、複数の社員が虚偽の実務経験証明書を国土交通省の外郭団体に提
出して監理技術者資格者証を不正取得したとして、社内のコンプライアンス委
員会に投書しました。
その後、所属部門の再編をきっかけに、専門分野とは異なる雑務しか与えら
れなくなり、05年1月から眉毛の脱毛や頭痛の症状を訴え、自律神経失調症や
うつ状態との診断を受け、断続的に休職しながら治療を受けていたとのことです。
西村さんは一連の病気は業務上の理由で発病したとして、神戸西労働基準監
督署に労災申請しましたが、認められず、処分を不服として兵庫労働者災害補
償保険審査官に審査請求しましたが棄却され、労働保険審査会に再審査請求し
ていました。
同審査会は労災を認めた理由について「高い資格を持ちながら雑務というべ
き補助的業務を担当させられた心理的な負荷は相当強く、会社側は改善する積
極的な動きをとらなかった」としました。
これにより労災と認めなかった神戸西労働基準監督署長の処分が取り消され、
支給手続きに入ります。
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